DETAIL ごはんの時間を大切にしたくなる、「益子焼」のお話
唐突ですが、昨日の晩御飯何を食べましたか?
すぐに思い出せなかった方(わたし含め)意外と多いと思います。
忙しいと食事をないがしろにしてしまいがちです。
今回は、そんなお食事の時間を大切にしたくなる食器、「益子焼」の故郷へ行って参りました。
栃木県の南方に位置する益子町。
今回は数ある益子焼のうちの、陶庫さんと、こうじんやさんにお邪魔しました。
益子焼のお店が多く連なる城乃坂。
こちらはこうじんやさん。
店内にはあらゆる益子焼があふれています。
こうじんやさんは、多くの陶芸家さんから作品なり商品を仕入れてセレクト販売を行っております。
店内を拝見している中で、陶芸作家さんの商品が並んでいるにも関わらず、
作家さんのお名前がひとつも掲示されていないことに気がつきます。
作家さんのお顔や、お名前をもっとアピールしたらいかがですか、と素人ながらに伺ってみました。
すると、「この陶芸家さんの作品だから買うとか、そうゆうのは嫌なんです。
多くの商品の中から気に入ったものがあって、それがたまたまこうじんやさんのものだった、
という出会いを作りたいんですよ」
なるほど。
先入観にとらわれずに、
選ぶのに少し時間がかかったとしても自分の好みや、
手の形にあったものを選んでほしい、いわゆる益子焼との一期一会ですね。
さまざまな年代の作家さんの個性の詰まった作品を集めることで、
人ひとりに合うライフスタイルを提案していきたい、
それで一人でも多くの人に益子焼の良さを知ってもらえたら嬉しい、
そんな思いがお話を通じて感じることが出来ました。
そして、こうじんやさんのお向かい、陶庫さん。
まるで美術館のよう。多くの益子焼作家さんからの作品なり商品をセレクト販売なさっています。
陶庫さんに関しては自社窯ブランドもあるようですね。
手になじむこの形状、ぬくもりたっぷりです。
この趣きのある益子焼たちはどうやって生まれるのでしょうか。
工房を無理言って見学させていただきました。
4人の職人さんが作業をされていました。
一点一点、人の手で作られていきます。
彼女たちはわたしとそう年齢の変わらない女性の職人さんです。
なぜ益子焼を?
そう尋ねると、彼女たちはそろって
「益子焼が好きだから」
迷いのないその言葉はシンプルですがとても魅力的ですね。
職人さんの手によってかたどられたものは、
このように乾燥させ、
1280度にもなるこの窯で焼いていきます。
人が余裕で入れてしまうほどの大きさ…
こうして出来上がる益子焼。
人間の「好き」から生まれるものは大量生産のものとはまた違った良さがあります。
多くのバリエーションの中から、私もこれだっ!というものを時間をかけて探してみました。
このお茶碗は陶庫さんの自社窯のお茶碗で、
大きな四角いお皿がこうじんやさんで購入したものです。
(お味噌汁の椀は以前中村漆器さんで購入)
自然と毎日の食事の時間を大切にしたくなる益子焼。
毎日使うものだからこそ、永く使っていたい。
だから自然と大切に扱うようになるのだと思います。
みなさんにも、そんな器との出会いがありますように。
さあ今日のご飯、何を食べようかな~。